「貴腐ブドウ」という極めて糖度の高いブドウを原料に作られた甘口ワインです。
解説
ブドウの果皮に感染するカビがあり、このカビの付着により水分が蒸発して糖分のエキスが凝縮したブドウに変化したものが「貴腐ブドウ」となります。
特定の自然条件(気候、温度、湿度)を満たした場合のみ貴腐化するもので、条件が合わないと腐敗することもあります。よって数年に一度しか収穫できません。
その中で得られる果汁はわずかなもので、希少性の高い商品となっており、特に若い女性の間で評判の高いものになっています。
※カビ=貴腐菌(ボトリティス シネレア菌)
ペニシリンが大量に含まれています。ペニシリンは20世紀最大の発明のひとつといわれ、現在の抗生物質開発の礎を築いたものであり、梅毒などの治療に使用されます。
最近では人食いバクテリアと呼ばれる溶連菌感染症の治療にも使用されています。
トカイ地方産ワイン
世界三大貴腐ワインのひとつとして有名なハンガリーのトカイ地方で造られるワインです。
トカイ地方とはハンガリー北端のスロバキア国境と接するワイン産地で、気候は朝晩の気温差の大きい大陸性気候となっています。
二つの川が合流するトカイ地方は秋の昼夜の寒暖差によって濃い霧が発生し、その湿気によってブドウに貴腐菌が付きます。
このようなトカイ地方の特別な地形と気候が貴腐ワインを生み出すのです。
Tokaji ESZENCIA 2017(トカイ エッセンシア)
貴腐化したブドウのみを使い、圧搾機にかけず自然の重みで搾り出された果汁を自然発酵させたものです。
アルコール度数は5.5%と低いですが、糖度が非常に高いのでグラスで普通のワインのように飲むと、高い糖分のため血糖値が瞬時に高くなってしまうので匙で一口だけなどが推奨される飲み方です。
Tokaji Aszú6 PUTTONYOS 2019(トカイ アスー6 プットニョシュ)
136リットルに対してプットニョシュ(約25キログラム)という単位で貴腐ブドウが何杯使われているかを表している貴腐ワインです。
貴腐ブドウと貴腐化していないブドウをそれぞれ一時発酵ごとにブレンドしたワインがアスーとなります。
出来上がったアスーワインの糖度含有量によって5と6プットニョシュに分類されます。
Tokaji Szamorodni 2021(トカイ サモドロニ)
「サモドロニ」とはスラブ語で「自然のままに」を意味します。
貴腐ブドウと貴腐化していないブドウの粒を選別せずに、房ごと収穫したブドウを用いて造られるワインです。
貴腐ブドウの割合によって辛口~甘口タイプまで造ることができ、こちらはEDES(エデーシュ:甘口)タイプとなります。